谷 充展のブログ

ある時、不意に胸を衝く言葉たち。そういうものが、どこかに隠れている。そんな場所。

境界線を失って

答えを怖れて
問い掛けを躊躇う

評価を怖れて
回答を躊躇う

いつも怖れが
歩みを止める

まるで地面から手が伸びてきて
足首をぐっと掴むように

頭の中では
きらびやかな世界が展開するも

いざとなれば
怖れによる侵食

ワインの紅は
今日も気弱な心を
あざけ笑う

そしてその液体を
飲み干すことで
心を満たす

つかの間の忘却
別世界への逃避

眠りから醒めれば
また力が漲るはずだから

逃げ場の確保は
生きるために必要な事

暗闇に響く
カラスの声
そうして世界が
境界線を失っていく