谷 充展のブログ

ある時、不意に胸を衝く言葉たち。そういうものが、どこかに隠れている。そんな場所。

海街diary、弟との時間、時間的な非対称性

今日は久しぶりにお家でDVD鑑賞。予告編で気になっていた作品を、ようやく。

 

 

 

とってもいい映画だったな。マイ・ベスト5に必ず残っていきそうな作品。まぁ揃いも揃ってキャスティングが素晴らしいのは言うまでもないので、ここからは個人的な感想など。

 

僕には弟が一人、4つ違いでいるけれど、この映画を観ていちばん印象に残ったことは、これまで二人で語り合ったり、一緒に遊んだりした記憶がほとんど碌にないということだった。覚えていることは、喧嘩していたことばかり。まぁ中学生と小学生の男兄弟にとっては、ごく当たり前のことだっただろうけど。

 

彼は、中学生の時から自分の中の世界に頭までどっぷりと浸かり、僕は僕で、独立意識というか、「自分は自分、他人は他人」という極端な考えをしていたので、お互いの10代のほぼすべての時間を通して、直接的な交流というものはなかった。

 

二人がもっと小さい頃は、僕が同い年の幼馴染と遊ぶ時に弟が一緒についてきたりしてきたことはあったけれど、その時の記憶はあくまでも僕が友達と遊んだ記憶であり、決して弟との記憶とは言えない。それに、そこまで鮮明に覚えていることでもない。

 

そういえば、一度仲の良い家族で山間にキャンプに行った時、彼が小さな滝に落ちそうになったことがあったのを、今思い出したな。その時は親父がギリギリのところで気づいて、慌てて抱きかかえに行って事なきを得たのだけど、まだ小さかった弟は、川に流されたサンダルを無邪気に捕まえに行こうとして、1メートル先の滝に向かってふらふらと水の中を移動しようとしていたんだ。

 

その事を考えると、今まであまり共有してこなかった分の時間を、これから少しずつ取り戻す作業をしようと思えること、そのことの幸福を言祝ぎたい気持ちになった。

 

ただ先に生まれただけ。

ただ後に生まれただけ。

時間的な非対称性はあったにせよ、

お互い四半世紀以上

生きてきたわけで。

 

全く違う人生を

選んできているからこそ、

ある意味フラットに

彼を見ることもできる。

 

 

今度実家に帰った時は、

二人で飲みに、

いけたら楽しいだろうな。