谷 充展のブログ

ある時、不意に胸を衝く言葉たち。そういうものが、どこかに隠れている。そんな場所。

お別れ

魚屋から居酒屋始めて、

10周年、15周年と

常連さんや元・現バイト集めて

お祝いして、

 

今年も恒例の新年会を開いて、

大好きな人たちといっぱい

呑んで喋って、

楽しく大騒ぎして、

ほんで家帰って

ひと眠りしてから旅立つって、

なかなか出来すぎた話やで。

 

自分の店の新年会を、

旅立ちの集いにしてるんやもん。

しかも定休日前で、

仕入れもなく、きれいさっぱり。

 

ホンマ急な事で、

びっくりしながらお通夜に集まって、

全然実感わかんくて、

なんならお顔メッチャきれいで、

いつもかけてた眼鏡取ったら、

「え、こない男前やったん?」

ってみんなに言われてるし、

 

初めて、通夜で夜通し

酒飲み明かして、

語り明かして、

アホな事言いあって笑って、

思い立っては顔見に行って、

やっぱり涙流して、

でもまだそこに寝とるし、

ホンマに今にも起きて来そうな、

ぐっすり寝てる様な

穏やかなお顔で、

 

でも、

告別式の読経は、

これで最後なんやとか

行ってらっしゃい、とか

でも逝って欲しないとか

でもでも

逝かせてあげなアカン、

留めさせたらアカン、

とか思ったり、

 

寝てないから眠いなぁとか、

高野山真言宗ナントカ寺言うてたけど

坊さん高野山から

遠路はるばる箕面まで来たんかなとか、

 

これで最後なんや思ったら

やっぱりビィビィ泣けるし、

宴会のたびに、大将とママさんと

3人でおぃおぃ泣いてたなぁとか、

 

ホンマに皆んなの笑顔見るんが

元気の源なんです!

言うて、真剣に

笑いながら言うとったなぁとか、

自分の名前言いながら

気合入れろ!

言うて焼酎呑みながら

片付けしとったなぁとか、

 

ママさんのことホンマに

惚れた時の気持ちのまんま

ずーっと来てんやなぁって顔で

ニヤニヤしながら馴れ初め嬉しそうに

話してくれたなぁとか、

 

刺身の厚さのこだわりとか、

客商売の本質とか、

理屈こねなんだけど、

自分の感覚を味のある言い方で

言葉にしてくれてたなぁ

滋味がたっぷりのセリフやったなぁ

とか、

 

なんやもう

訳分からんことなってきて、

なんで泣いてんやろうとか考え出して

でも理由なんか整理する必要ないし、

なにしょーもないこと言うてんねん

とか、

 

最後のお焼香はホンマに

いってらっしゃい

ってちゃんと言えたし、

 

でも出棺前の

最後のお別れはやっぱり

全然違くって、

ホンマにホンマに

魚正に入れてくれて

ありがとうございました

それを、

言葉は届かんけど、

想いは届くと信じて

 

今も実感まだまだやけど、

でもふと、

もう灰になってんのかって、

すごい衝撃で、

 

結婚の報告も

出産の報告も

なぜかすっかり怠ってて、

 

結婚式呼べば良かったなぁ

連れて顔見せにだけでも

行けばよかったなぁ

ホンマごめんなさい

それだけが心残りやけど、

 

でも、

突然なんやでって、

お前の父ちゃんも

当たり前思うな、

母ちゃんも当たり前

思うなって

笑いながら言うてくれてるような

そんな気がするし、

 

ホンマ久しぶりに

一緒にバイト入った子らと

昼飯食べながら

思い出話しさせてくれたし

常連さん達にも

ご無沙汰です、はじめまして

そうやって繋げてくれて、

 

なんかタイミングも

休み取れるピンポイントで、

 

そんなこんなで

ホンマに立派な葬儀やったし、

一晩そばで明かせて、

色んな気持ちのごった煮のまま、

新横浜ついて

バス待ちながら、

 

踏ん切り

前進

そのしんどさと

大事さを

しみじみ思いながら、

 

また明日から

頑張らなあかんのです。