連休最終日。大学時代にいちばん長く、共に時間を過ごした親友の家に遊びに行く。駅から彼の家に向かう道中、坂を下って線路と目線の高さが交差するところがある。晴れた日の午後に、その道を通るのが好きだ。坂を下りながらカーブを曲がると視界が一気に開け、遠くに続く線路、その向こうに見える小高い山、そして家々の屋根が見えるんだ。
お昼をご馳走になり、コーヒーを飲みながら語り合う。昔話、家族の話、お互いのプロジェクト、仕事、将来のプラン、学んだ事などなど。もちろん、二人とも言語を学んだという共通の素地があるので、そういった話でも盛り上がる。
帰り道、駅前の飲み屋でワインを一杯。近くにカタルーニャ料理の店を見つけて、もう一杯。なかなかcosyなお店で、今度は一度しっかりとしたディナーに行ってみたい。都心へ戻って、どうしてもラザーニャが食べたくなったので寄り道をする。今日はホワイトソースベースのきのこのラザーニャ。合わせてもらったワインは、ピエモンテのアナス・チェッタ。2005年のものをいただく。感想は、「美味しい」、以上。まだ味の表現を知らないけど、美味しいかどうかの感覚はわかる。
いい気分で駅に向かって歩いていると、ガード下からドラムの音。サックスとベースの3ピースに出会う。ジャズドラムの粋な音色に留学時代惚れ込んだのを思い出す。聴衆はいなかったけれど、足を止めてしばし聴き入る。1曲終わってもう1曲。それぞれのソロもあり、何より楽しそうな彼らの表情がいい。サックスの甘く柔らかい音が、ワインでふわっとした気分を優しく包み込む。Bravo!
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長く会っていなくても、毎日顔を合わせていたかのように語らい合える友がいる。そういった友人がいるという事実は、感動的だ。
リッキー・マーティンの、Gracias por pensar en míという曲。「僕の事を想ってくれてありがとう」という意味になる。
明日はまた新しい1日
でもどうして今日は
こんな気分になるのだろう
空から一人の悲しげな天使が
僕のそばに降りてくる
決して冷めない熱
そして乾いていく僕の笑顔
何もかもうまくいかなくっても
いつもどこかに出口はあるさ
全て失ったとしても
一筋の光はそこで輝いでいる
ただ何も言わずに僕を見て
僕を想ってくれて
ありがとう
Ricky Martin - Gracias por Pensar en Mi (A Via ...
自分の知らないところで、今日も誰かが自分を想ってくれている。どれだけ切ない時でも、涙に濡れた顔を照らしてくれる光がある。
そして自分も、また、人を想う。